制作の話なんか一切ないGGJ2013会場係をした話

48時間でゲームを作るというイベント「Global Game Jam 2013」の参加者と、会場となった学校の職員として会場係の運営として参加しました。
恐らく参加者の中で邪な動機で参加している者の一人です。
どこの会場なのかと明記すると大変マズイ事が書かれる恐れがあるので、その辺は濁しています。

・会場を使おう

会場を使用したいという打診をいただいたのは5月の話だったはず。
話しを伺った感想は「面倒くせえ」でした。
前回のGGJ2012にも参加させていただいた身としては、休日にノートPC片手にお気楽に参加するのが楽しかったので、これでは全然お気楽になれないよ。
会場となる学校上層部との交渉、運営団体のゲーム制作集団○awazとの橋渡し、48時間会場を開放するため守衛さん代わりの常駐、そして問題の起こった時の対処と責任。
ちょっと考えただけで面倒な事この上ない。リスクに対するメリットがないじゃないか。
確かに前回までの会場である北の大地の国立大学は、一度会場入りするとよほどでない限り脱出するのを躊躇われるほど周辺施設が遠いので、ほぼ地下鉄駅隣接の今回の会場はとっても便利。という利点くらいはあるけど、だから何なんだ。
正直最初はこの話はスルーしようと思った。

・よし、宣伝をしよう

断るのも面白みがないので、なにか美味しいメリットはないかを模索した。
このGGJというイベントは世界200会場、参加者10000を超え、日本でも全国15会場を超える世界的イベント!と銘打ってはいるが、知名度はないし恐らく参加してる人たちもまるでピンときてないと思う。前回参加の感想として。
48時間でヒーヒー言いながらゲーム作っていれば、周りを見ている余裕なんてないから当然だけど。
でも話の規模だけは大きいので、無関係の人から見ると、初めて聞いたけど何かスゴイイベントだ!と思うだろう。
これは宣伝に使えるんじゃないのか。
しかも前回までの会場、北の大地の国立大学からうちの学校になり、良く分からないけどこの学校はなにかスゴイのかも。と勝手に勘違いしてもらう事もあるだろうし。
幸い、北の大地の国立大学はこんなイベントに何の興味も無かったようで、今までローカルのメディアに露出した事がない。
これはイケる!
学校の宣伝なんて個人的にはかなりどうでもいいんだけど。
この時点でこの案件は学校の宣伝という「業務」になったので、みんなでゲームを作って楽しもうという甘い希望は捨てた。絶望。

・根回しをしよう

とりあえず会場使用の根回しをしよう。
まずは広報を担当する当校のステキでカッコ良くて酔っ払いの教頭を仲間に引きずり込む。
うちの教頭はこの手の話にはノリノリでノッてくれるイカしたおじさんなので、当然のように話を進めようという事になった。
ぶっちゃけ正規では私に上層部と交渉する権限なんてないので、この人がいないとそこで話が詰んでた。
交渉するのは良いんだけど、とにかく資料がないのこのイベント。
まず公式が英語サイト。まあ見ないよね。
なので前回の記事をかき集めて資料を作る。話だけだと胡散臭い顔しかしてくれない。
何だかんだで使用OKが出る。
決め手は「無料(ここ重要)で宣伝になる!当日動員は私だけ!」まるでメールを返信するだけで、私の遺産を差し上げますというスパムみたいな好条件なので、OKしない方がどうかしてる。
他、3日間会場に泊まり込んで私が大丈夫なのかという話しもあったけど、大丈夫なワケないだろ、そんなの。

・宣伝をしよう

会場使用の許可は出たけど、次の手を打つにもモノがないので、GGJへの会場申請が終わるまで特に動きはなかった。その間半年。長い。
その間開催時の一時的なネットワーク環境の増強だのなんだの密かに動いてたりするんだけど、結局全て「金がかかる」という理由でほとんど亡きモノに。
12月になり会場申請が完了した旨が届く。しかし相変わらず資料がない!どこにも持って行けない!
とりあえず話だけで根回しにまわるが、資料媒体がないのでGGJをすでに存じ上げている関係者くらいしか回れないわけなんだけど。
年末になりwebサイトとポスターが完成する。忙しい中資料を作り上げた○awazの面々には頭が下がる思いです。
が、如何せん遅い!遅すぎる!遅すぎて欠伸が出るゼ!
当然だけど明日明後日が仕事納めって時に資料配布されても、見るのは年明けになる。当たり前ですね。
なので年明けからわずか2週間の募集締め切りというタイムアタックが始まる事になった。
手当たり次第に新聞社にプレスリリースを流す教頭などは、終いには直接新聞社に乗込んだり、他の学校へのイベント告知を出したり。

少し話は変わるんだけど、この地域のゲーム関係の学校の先生たちはライバル校と言えども、お互いに業界を盛上げましょうという事で少しばかり交流があり、そちらの学生さんも参加お願いしまーす!ができる。
しかし不幸な事に学生さんには冬休みなんてイベントがあるので、冬休み終わって学校に来たらこんなイベントがあってもう締切だから今すぐ登録しなさい。というのはまあ無理がありますね。私はやったけど。

・GGJをしよう

GGJは通常の学校の授業、イベントに刺さり込む形での開催になったので、開催1週間前ともなると、各部屋の使用調整や人の動きを想定した必要なモノの手配をしていく。
具体的には頭を下げてまわるだけなので、仕事として楽チン過ぎな内容だったりする。
開催当日にもなると特に指示がなくても他の職員もセッティングを行ってくれた。
学校の先生というのは実はかなりイベント慣れしているので、こういう時は非常に心強いですね。
こうして何だかんだとセッティングも整い無事GGJ2013は始まったのである。
ぶっちゃけもうここで私の仕事は終わった。あとは近くの銭湯に行くのを目標に、3日間泊まり込むだけの簡単な業務でしかないのだ。
あ、あと片付け。
幸いにもGGJ参加者の方々はお行儀の良い方々ばかりなので、本当に何の問題起こらなくて良かったです。
イベントも成功して万々歳です。来年も会場として使ってもらえると良いですね。
お前らばっかり楽しみやがってふざけんななんて、これっぽっちしか思ってませんから。

それと参加チームの役にはまるで立ってないので、制作については書きようありませんから、詳しくはこちらの面白いブログなどご覧ください。

うしろぐ:GGJ2013、UnityとBlenderで世界に挑む。